2015年 02月 15日
私の仕事部屋の窓。 向かいのお宅のレモンが豊作。 日に日にふっくらとしつつあるレモン。 NHKで高村光太郎と智恵子夫妻の純愛を取り上げた番組を観た。 智恵子の最期の瞬間を書き留めた「智恵子抄」の「レモン哀歌」 そんなにもあなたはレモンを待つてゐた かなしく白くあかるい死の床で わたしの手からとつた一つのレモンを あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ トパアズいろの香気が立つ その数滴の天のものなるレモンの汁は ぱつとあなたの意識を正常にした ・・・ この詩は私が中学生の時に母親が通っていたママさんコーラスの課題曲だった。 異様に音痴な母が家で練習する調子はずれの 「・・・レモンを・・・がりりとぉ かんだァー・・・」 が、耳にこびりついている。 リズム感もなかった。 あの歌は正しく歌うとどんな歌だったのか、 全くわからないまま時が過ぎてしまったが、 今、思えば、詩のイメージをとてもよく現わしていたかもしれない、 天才的に音痴な母の歌だった。 智恵子の狂気とそのまま重なったような わが家のレモン哀歌。 バレンタインのお菓子やさんの前で、お行儀よく飼い主を待つエイト。 店内から窓越しにパチリ。 その後は、郵便局の前でも頑張って待ってくれました。 今度実家へ帰ったら、ママに「レモン哀歌」を歌ってもらおうね。
by eight-ten
| 2015-02-15 02:06
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