2014年 10月 13日
長崎の郷土料理と言えば、長崎ちゃんぽん、卓袱料理、お菓子は何と言っても長崎カステラ。 どれも美味しく頂くことができました。 おくんちを見た後は、長崎在住の彼女に案内して頂いて、創業360年の料亭「花月」で名物卓袱料理。 卓袱(しっぽく)料理は、卓袱(ちゃぶ)台と同じ字を使います。 古来の日本の食卓スタイルの個人毎のお膳ではなく、皆で上下の差なく円卓を囲み、大皿料理を直箸で頂く様式で、卓袱台の原型となったそうです。 とてもカジュアルな志向ですが、食事の始りは決まりごとがあります。 「御鰭(おひれ)をどうぞ」という給仕の方の声掛けで、お吸い物を頂きます。 乾杯や挨拶などは、御 鰭をいただいてから。 御鰭さえすませれば、円卓 に並んだ料理を好きなように食べることができます。 鯛の胸鰭が入っ た吸い物を御鰭といい、これは「お客様お一人様に対して鯛一尾を使っておもてな しさせていただきます」という意味が込められているそうです。 日本の文化にポルトガルや中国など異国の文化をうまくミックスさせてできあがった不思議なスタイルです。 大皿に盛られたお料理がどんどん運ばれてきて、実際にはほとんど直箸を使うことなく、仲居さんが取り分けてくれました。 少し甘めの味付けでダシがしっかり効いていて、どのお料理も本当に美味しい。器も素敵。 女将さん、仲居さんもみなさんお話上手で華やかな美人さんで、夢のようなひと時でした。 お昼のコースで10000円。値打ちあります。 長崎の丸山は江戸の吉原、京都の島原とともに天下の三大遊郭とうたわれ栄えた場所で、 「花月」は、遊郭「引田屋」の庭園内に建てられた茶屋をそのまま、現在は史跡料亭として営業されています。 繁華街の中にありながら、元禄時代に作庭された800坪の広大な庭園を保ち続けておられます。 タイル貼りの床に格天井、ディテールには中国の様式を取り入れ た「春雨の間」や、龍馬の刀傷、建物内に併設された展示室「集古館」など、見どころは尽きません。 江戸、幕末、明治維新、現在に至るまで、長崎の社交場であり続けたこの場所にいると、つい異文化のように思ってしまう昔の日本の風俗が、とだえることなく現在と繋がっていることが当たり前のように思えます。 この昼食でおなかがいっぱいになりすぎて、夕食はなし、ということに。 夜、中華街でなんとしても長崎ちゃんぽんを食べたいという食いしん坊の私に、二人の姉弟子さまがつきあってくださいました。 長崎ちゃんぽんは、少し辛かったけど、白いスープがこくがあってくせになりそうなお味でした。
by eight-ten
| 2014-10-13 03:49
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