2015年 10月 22日
ロンシャンを後にし、TGVで北上しコルマールへ。 アルザス、ロレーヌ地方です。 アルザスと言えば、、、、 帰国した今ならすかさず、「白ワイン!」なのですが、 アルザスに向かう電車の中で、家族で話していたのは、、小学生の時に国語(か道徳)の授業でとりあげられた小説「最後の授業」のこと。昔、フランス領だったアルザスが、普仏戦争でフランスが敗れたため、ドイツ領となった瞬間のことが書かれていました。主人公の担任教師が最後に「フランス万歳」と板書して授業は終了します。 その唐突な終わり方が印象的で、子供心に作者の無念さやその後の悲劇が想像されるものでした。 もう一つ思いだしていたこと、ルイ16世王妃、マリー・アントワネットの名前です。ベルばら世代ですし。 オーストリア出身なのに、名前にロレーヌがはいっていて以前から不思議な気がしていました。 マリー・アントワネット・ジョセファ・ジャンヌ・ドゥ・ロレーヌ・ドートリッシュ ロレーヌ地方の、オーストリア皇室出身、という意味です。 アントワネットの父親フランツ1世はロートリンゲン公国(ロレーヌ地方)の公子で、神聖ローマ帝国の皇女、ハプスブルグ家のマリアテレジアと結婚する際に、周辺諸国、特にフランスからの圧力で、ロートリンゲン公国をフランスへを譲らなくてはならなくなってしまったそうです。 アントワネットの名前にわざわざ「ロレーヌ」が入っているのは、いつかはこの土地をフランスから取り返す、というマリアテレジアとフランツ1世の決意の表れ、という説もあります。 その後、ドイツ領となり、現在はまたフランス領です。 アルザス・ロレーヌは、鉄鉱石と石炭を産出する裕福な土地で、フランスとドイツの国境に近いことから、戦争のたびに戦勝国の所有となった場所だったそうです。 そもそももとはケルト人が住んでいたところに、ローマ帝国が侵攻。 という、大昔から近代までの長い長い争いの歴史を感じさせるものは、街なかにはほとんど見られず、それどころか、どこを見てもメルヘンチックな可愛い美しい街でした。 ガイドブックを見ても、とにかくメルヘンという文字が踊ります。 ジブリの「ハウルの動く城」の舞台にもなっていますが、考えてみれば、あの物語も戦争のお話でした。 ただ、コルマール駅のファサードには、大砲やら拘束された女性やら、戦争をリアルに表現したガラスが配されておりました。
by eight-ten
| 2015-10-22 02:43
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