2015年 07月 25日
兵庫県立淡路景観園芸学校。 今年から杉本は、この中にある兵庫県立大学大学院 緑環境景観マネジメント研究科で、「建築環境デザイン論」担当の非常勤講師をしています。 昨日は、前期の最終講義日。 この学校を立ち上げ、マスターアーキテクトとして、建設の指揮をとられた前校長先生をお招きして、キャンパスをご案内頂き、学生さんと共に、様々なお話を伺いました。 キャンパスは総面積13ha、別に実習林が25ha有ります。 学生達は、ここで2年間、全寮制の生活を送りながら、高度専門職業人として、緑環境景観マネジメント技術者としての教育を受けています。 校舎からの眺め。 遥か、紀淡海峡の友ヶ島まで見渡せ、その視界の中に人工物が殆ど入ってこない、素晴らしい景観です。 この学校ができる前からきっとこういう緑あふれる環境だったのだろうな、と思っていたのですが、 以前は、なんと、耕作放棄された荒れ果てた果樹園のなれのはてだったそうです。 その果樹園の防風林とため池が、この場の原風景として残されています。 このキャンパスの造成は、切り土はなく、殆ど盛り土のみで行われ、その土は本四海峡大橋工事の残土が使われているそうです。 環境に負担をかけず、自然を再生し、新たな環境をつくる、素晴らしい考えです。 世界各国の庭園や園芸学校をリサーチして、作られました。 カフェテリア前のウッドデッキから 最高に気持ちのよい場所ですが、植物が少し延び過ぎ、本来想定した眺めとは違うそうです。 もとあったため池からの水を通し、海へ流れこむ水系を大阪湾へのVISTAの軸としています。 園芸療法ガーデンをはじめ、様々な実習の場があります。 驚いたことに、このガーデンは一般の人が、いつでもだれでも自由に散策することができるそうです。 団体見学のご案内はこちら。 カフェテリアの外部席は、柴犬を連れた人たちがたくさん集っておられ、まるでドッグカフェ。 犬飼いにとっては天国です。 日本庭園はカエデが伸びすぎ・・・ 素晴らしい環境ですが、当然ながら、メンテナンスには費用もエネルギーも必要です。 ・・・緑と暮らすことの素晴らしさと大変さを身をもって体験し、生活しながら勉強できる場です。 植物に愛情を持って、きちんとした知識で、世話ができないと、緑の環境づくりの提案などする資格がないことも、再認識しました。 (帰宅してまずジャングル化した自宅の雑草を抜き、まず、自分の生活環境を整え、襟を正そう、とひそかに心しました) 大学院の学生さんたちは、全国の様々な分野の学部を卒業して集まってきています。 留学生も多く、その殆どが中国の芸大から来られています。 日々、植物と格闘しながら、建築デザインの講義と実習に熱心に取り組んでくれました。 熱いデザインマインドを持った緑環境景観マネジメント技術者として、ランドスケープアーキテクトとして、頑張ってほしいです。 兵庫県立淡路景観園芸学校 場所は、淡路北部、高速バスの淡路ICで下りて、車で10分程西へ走った丘陵地にあります。 ドライブがてら、 素晴らしい景観を楽しみに、そして、緑と暮らすことの大切さや大変さを学びに、是非、いちど淡路島へお出かけください。
by eight-ten
| 2015-07-25 21:01
| 建築・アート
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