2014年 10月 12日
長崎くんちのクライマックス、諏訪神社での奉納踊りを観に行ってきました。 諏訪神社の氏子が、7組に分かれて5~7町がその町ごとの独特の演し物を神前に奉納します。 この写真は銀屋町の「鯱太鼓」の山車を上空に投げ上げ、担ぎ手が手を打った瞬間。 観客からは、「モッテコーイ、モッテコイ」や「ショモーヤレ」など、独特の掛け声が飛びます。 神様の前で人々が一体となって繰り広げられる神事。感激でした。 長崎くんち・・・テレビでお祭りの様子は見たことがあるけれど、だしものがエキゾチックなお祭り、という程度の認識でした。 実際に見てみると、神前で奉納される芸能の原型としてのかたちを色濃く残す、そして、長崎ならではの強烈な個性を持つ神事だとうことがよくわかりました。 私たちが見た神社で奉納というシーンは、何年もかけて行われる長い行事のひとつにすぎません。 人と町と土地のアイデンティティであり、日々の生活、経済と結び付いてきました。それは神社で行われる神事であっても、「宗教」ということばとは馴染まないようにも思いました。 神社の境内で行われる奉納には、境内の広場が舞台となり、アリーナ状にさじきが組まれます。 正面席は、長坂と言われる本殿への石段です。 観客席は全部で2000席程度・・・・・この席をとることがとても大変なのです。 今回、このために、長崎の姉弟子が徹夜で神社前に並んでくれました。 一人につき1つのさじき席(4人席)しかとれないので、姉弟子のお友達も一緒に並んでくださったそうです。(アイホンなみ?) ネットでチケット手配が当たり前の今、本当に大変なこと。そのため、長崎在住の人でもなかなか見ることができないそうです。本当に有難い、貴重な体験をすることができました。 「くんち」は、「くにち」がなまったもので、昔から10月9日に行われます。 平日だろうが、台風だろうが、日の変更はないそうです。「観光」目的ではないですから。 朝7時から始まりますので、6時半前には神社に入ります。 直射日光がさんさんと降り注ぎますが、神事ということで帽子や傘の使用は禁じられています。 それで、観客はてぬぐいを被ります。このてぬぐいも姉弟子が準備してくれました。てぬぐい被るのって、軽くて涼しくて、なかなか快適。 数時間で奉納が終わると、ご神体が下られます。 具体的には、3台のおみこしが、全速力で神社の階段を駆け下り、海の近くの御旅所へと運ばれてゆきます。 そのあと、各町の山車や踊り手は、一日、長崎の街を巡ってゆくのでした。 長い長い1日でした。 町の人たちにとっては、何年もかかって準備を重ねてきた、特別な一日でしょうね。
by eight-ten
| 2014-10-12 03:01
| 旅
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