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2011年 11月 22日

いけばなと墨絵と光と音のコラボレーション

神戸ビエンナーレは明日11月23日が最終日。
昨日は、いけばな未来展に出展する友人たちのいけこみの手伝いに行ってきた。
何もない真白な状態から、作品ができあがっていく様子を順に写真におさめようと思っていたのだけど・・・。
朝一番に会場に行くと、仁王立ちになっている師匠の大きな姿。
緊張感の中で写真を撮っている余裕などなく、設営といけこみ。
なんとか師匠の厳しい眼も無事クリアして、
開場の10時にはすっかり完了してお客様のお迎えとなった。
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いけばなの起源は、中世。
乱世の時代に、人々の魂の供養や心の慰めにと、仏に仕える僧が野で花を摘み、瓶に立て、経を唱えたことから始まったと言われている。
能や茶道などの伝統芸能の発祥と、時期や成り立ち方において共通点が多い。
その後は、床の間を舞台に発展してきた。
光や影、背後の軸、香り、音 など、その場に存在する様々なものとの関係性なしでは成り立たない、日本の日常の中の環境芸術。
「いけばな」自体が作品として主役なのではなく、催される行事を盛り上げる要素のひとつであったり、季節のしつらいだったり、来客へのもてなしの心の表現だったり。
また、花をいける行為そのものが、神事や仏事でもある。
いけばなと墨絵と光と音のコラボレーション_d0224487_19592241.jpg


今回はいけばな展なので、いけばなが主役には違いないが、
花をとりまく環境そのものの変化で、刻々と姿を変える花の姿を経験することができる。

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光がないと人間は色を認識できない。物体が光を反射することで色は初めて存在する。
物体の表面が光の中のある波長を反射し、その反射光が人間の脳に届いて人間は色を認識する。
様々な色の光を浴びて表情を変化させる花のどの姿も、それぞれが正しい姿だ。

花も建築も、光や影や音と影響しあって環境を形づくる要素の一つなのだと思う。

今回は、嵯峨御流神戸の若手?メンバーによるいけばな、
和井田行彦さんの墨絵アート、
西村直樹さんの映像によるプロジェクション、
音楽は鈴木祐美子さんの作曲。
このコラボレーションで虚構と現実が交錯する空間が現れた。
でもすべてが現実。
いけばなと墨絵と光と音のコラボレーション_d0224487_2016529.jpg

by eight-ten | 2011-11-22 20:38 |


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